Phil Mogg

フィル・モグ

 先日正式に活動終了を宣言し 50 年以上の歴史に幕を閉じた、ブリティッシュ・ハード・ロック・バンド UFO。そのフロントマンであったフィル・モグ率いるバンドのアルバムが完成。UFO が終了しても音楽活動は細々と続けようと思っていたフィルは、UFO の活動中に、作ったもののバンドに相応しくないと寝かせておいた楽曲を、その内表に出そうとタイミングを窺っていた。その内コロナ禍になり予想以上の空き時間が出来た為、ソロ・アルバムの構想が加速し、一気に完成に近づいた。本作でフィルを支えるバックのバンド・メンバーは、UFO で彼を長年支え続けたニール・カーターがギターやキーボードを始め数々の楽器を担当。それ以外にはイギリスのバンド VOODOO SIX から、トニー・ニュートン(B, G)、ジョー・ラザラス(Ds, Perc)、トミー・ジェントリー(G)という面々が参加している。更に本作のレコーディング・スタジオは、あの IRON MAIDEN のスティーヴ・ハリスが所有するエセックスの Barnyard Studios で録音されている。バンドの面子を見て頂ければお分かりの通り、長年ブリティッシュ・ロック・シーンを支え続けたベテランの面々が集結し、音楽性も UFO と VOODOOSIX から受け継いだ、骨太のリフをベースに、湿り気と憂いのある英国特有のメロディに、どこか懐かしさを感じさせつつも、このバンドにしか出せない個性を発揮している。UFO ファンは勿論のこと、全ブリティッシュ・ロック・ファンに聞いてもらいたい質実剛健な一品となっている。(2024年8月28日更新 - アルバム『モグズ・モーテル』について)