Praying Mantis
プレイング・マンティス
NWOBHM を代表するベテラン・バンドの一つで、2023 年には 1973 年のバンド結成から 50 周年を迎え、日本ではデビュー・アルバム「Time Tells No Lies」が大ヒットして以来、現在でも高い人気を誇る PRAYING MANTIS の通算 13 作目の最新スタジオ・アルバム。バンドは 1981 年のデビュー以来、紆余曲折の歴史を辿ったことで知られている。デビュー作は日本でのヒットとは裏腹に本国イギリスではビジネス上のトラブルもあり、その一枚と数曲のシングルのみで活動を停止する。その後時間を置いて 1990 年に日本で NWOBHM 10 周年記念コンサート出演を切っ掛けに、本格的に再結成を果たし、セカンド・アルバム「Predator in Disguise」をリリース。このバンドは中心人物であるトロイ兄弟以外のメンバーはかなり流動的であったが、元 IRON MAIDEN のデニス・ストラットン、ポール・ディアノ、クライヴ・バーや MSG のゲイリー・バーデンが在籍した時期もあった。再結成後は地道にアルバム・リリースとツアーを重ね、2021 年にはデビュー40 周年を迎え、翌年にはアルバム「Katharsis」をリリース。不変のコーラス・ワークとハーモニーを主軸にしたキャッチーでメロディアスな作品でファンを喜ばせた。そんな彼らがリリースする本最新作は、ファンが期待するマンティス節が満載となる作品。楽曲はメロディアスでフックがあり、伝統的な泣きのギター、湿り気のある哀愁のコーラス・ワークは勿論健在。どこを切り取ってもPRAYING MANTIS を堪能できること間違い無しの逸品である。その一方で6月に最後の日本ツアーが行われることが発表。またメンバー本人は断言していないものの、本作がラスト・アルバムになる可能性も示唆しており、バンドの終幕は遠からず訪れることを匂わせている。(2024年3月15日更新 - アルバム『ディファイアンス』について)