Ten
テン
ブリティッシュ・メロディック・ハード・ロックの雄として四半世紀以上に渡り活躍し続けるバンド、TENの最新スタジオ・アルバムが完成。前作『Here Be Monsters』からわずか1年未満でのスピード・リリースになるが、バンドによると前作と本作は2部作というものではなく、バンドの精力的な活動の産物として、短期間でアルバム2枚が完成したということである。短期間で多数の楽曲を制作したことで、散漫であったり薄味になることが懸念されるが、このアルバムを聞いて頂ければ、バンド本来の持ち味であるメロディは失われるどころか、より味わい深く広がりを見せていることがお判り頂けるだろう。 本作1曲目に位置する ”Look For The Rose (Part 2)” はパート2と謳いながらも、パート1となる曲は存在していない。しかし聴いて頂ければ分かるように、この曲のメロディ・ラインは、彼らの代表曲 ”The Name Of The Rose” を意識したものとなっており、バンドの思い入れと熱意の強さが感じられる1曲となっている。 本作を強力にバックアップ・サポートする、バンドの陰の立役者として、TENのファンにはお馴染みのデニス・ワードが本作でもミックスとマスターを担当。バンドが思い描くサウンドを的確に具現化する人物としてその手腕を発揮している。 TEN・・・ヴォーカリストのゲイリー・ヒューズとギタリストのヴィニー・バーンズの二人が核となり結成されたTENは、1996年のデビュー以来、その類い稀なるメロディ・センスが評価され、特に日本においては絶大な人気を獲得。初期の作品は特にメロディック・ロック・アルバムの名盤として現代においても語り継がれている。その後はヴィニーが脱退したものの、ゲイリーが中心となりバンド活動を継続。現在、その活動歴は既に25年を越え、今もなお高品質なメロディック・ロック作品をリスナーに提供するバンドとして、第一線で活躍し続けている。 (2022年12月29日更新 - アルバム『サムシング・ウィキッド・ディス・ウェイ・カムズ』について)